僕は深夜にタクシーの中から見る光景が好きで好きでしょうがないのです。

オレンジ色に光る東京タワーだって、うす明るい首都高だって、夏の日が昇ってしまった早朝のレインボーブリッジだって、好きで好きでしょうがないのです。

その朝日の中で、鈴木くんに学内で会うことは二度とないんだと、後悔するのです。
高層ビルの反射する窓も、日光に浸かった遠い建物の群れも、青々とした木々も、僕は何かに感傷するのです。

僕はそんな気持ちが好きで好きで、寂しくなるのです。

文字数・219字
書いた時期・20160730